お金よりも重要!?【新規開業と承継開業の違い】~2040年問題に向けたネクストキャリアを考える④~
お役立ちコラムシリーズコラム「2040年問題に向けたネクストキャリアを考える」。
いよいよ最終回となる第4回をお届けいたします。
第3回のコラムでは、クリニック開業における「資金面(初期投資やキャッシュフロー)」のリアル
をお伝えしました。しかし、経営を軌道に乗せるために立ちはだかる壁はお金だけではありません。
今回は、「人・オペレーション・集患」といった資金面以外のソフト要素において、
新規開業と承継開業がどう違うのかを比較します。
さらに今回は、「10年後も持続する医院経営」という視点を大きく取り入れ、これから訪れる医療環境の激変をどう乗り越えるかというテーマも交えてお届けします。
第4回:お金よりも重要!?
━新規開業と承継開業の違い
スタッフの採用とマネジメント(これからの時代の「人」の課題)
今後の医療現場において最も深刻な課題となるのが、年々悪化する看護師をはじめとする
医療従事者の不足です。
このリソース不足を前提とした組織作りが、経営者の最初の大仕事となります。
新規開業
ゼロからの組織作りと「選ばれる職場」へのハードル
新規開業では、一からスタッフを採用しなければなりませんが、売り手市場の中で人材を確保する
ハードルは非常に高くなっています。
これからの働き手の中心となるミレニアル世代やZ世代は、デジタルネイティブであり、
単なる給与だけでなく「柔軟な働き方」「ワークライフバランス」「社会的意義」を強く重視します。
新規開業の際は、ゼロから理念を浸透させるだけでなく、これらの世代が主体的に働ける組織環境や
デジタルツールを活用した負担軽減策を最初から構築するエネルギーが求められます。
承継開業
既存チームの融和と「働きやすさ」のアップデート
承継開業は、スタッフをそのまま引き継げるため、採用コストや初期教育の工数を抑えられる
大きなメリットがあります。
ただし、「前の院長のやり方」という既存文化との摩擦リスクは避けられません。
これからの次世代経営者には、既存のチームと融和しながらも、旧態依然とした労働環境を見直し、
ミレニアル世代の職員も定着しやすい柔軟で社会貢献を感じられる職場へと徐々にアップデートしていく
マネジメント力が問われます。
院内オペレーションと医療DX(患者満足度と効率化の鍵)
「また来たい」と患者さんに思ってもらうためには、院内でのスムーズな体験が不可欠です。
今後は患者層もミレニアル世代が増加し、彼らはWeb問診やオンライン予約、オンライン診療
といったデジタル技術を活用した迅速で便利な医療サービスを強く求めます。
新規開業
最新DXのネイティブ導入と、不慣れなオペレーションのジレンマ 新規開業の強みは、
最初から「医療DX令和ビジョン2030」に対応した最新の電子カルテや全国医療情報プラットフォーム
を前提としたシステムを導入しやすい点です。
しかし、開業当初はスタッフ全員の動線が最適化されておらず、「受付でもたつく」「待たせる」
といったトラブルが頻発し、患者満足度が低下するリスクを抱えています。
承継開業
成熟した安心感と、DX移行へのチェンジマネジメント
スタッフが「阿吽の呼吸」を身につけている承継開業は、無駄な待ち時間が発生しにくく、
開業初日から高い患者満足度とリピート率を維持できるのが強みです。
しかし、10年後を見据えた時、国が推進する電子カルテの標準化やデジタル化の波に対応するため、
アナログな体制からシステムを刷新するタイミングが必ず訪れます。
成熟したオペレーションを壊さず、いかにスムーズにDXを導入して医療の質を高められるかが経営課題となります。
マーケティングとこれからの「医師の役割」(集患と地域連携)
今後、高齢化が進む一方で人口減少により外来患者数は減少傾向となり、医療機関の維持すら困難な
「消滅可能性自治体」の増加が予想されています。
さらに、2029年頃〜2032年頃には医師の需給が均衡し、一部地域では医師の供給過剰が起こると推計されています。
新規開業
過剰時代における「信頼獲得」の険しい道
医師過剰と患者減少が同時に進む時代において、新規開業でゼロから認知度を上げ、
近隣の病院からの患者紹介(病診連携)を獲得していくのは、これまで以上に多大な広告費と時間
を要する厳しい戦いになります。どの地域に焦点をあてて開業するかというエリア選定が、
医院の存続を左右するほど重要になります。
承継開業
地域ネットワークの継承と「役割の拡大」
承継開業は、既に地域住民に認知されており、前院長の医療機関ネットワークをそのまま引き継げるため、
集患の苦労は格段に少なくなります。しかし、安定基盤にあぐらをかくことはできません。
新規・承継どちらにも言えることですが、これからの10年を生き抜くためには、従来型の医院経営
にとどまらず、高齢者が孤立しないための取り組みや生活習慣改善の啓発など、
「地域コミュニティの維持までをスコープに入れた医師の役割の拡大」という新しい戦略が求められていくでしょう。

終わりに・・・
みなさまのネクストキャリア、誰に相談すべきか?
全4回のコラムを通じて、「勤務医継続か、開業か」「新規開業か、承継開業か」という選択肢について、
10年後の医療環境の変化も踏まえて解説してきました。
これだけの激変が予想される中、ご自身のキャリアと「10年後も持続する医院」のあり方を
一人で描き切るのは極めて困難です。
だからこそ、キャリアの重大な分岐点においては、「ケアネット」にご相談ください。
ケアネットでは、現在の収入や資産状況に基づく「ライフプラン相談会」にとどまらず、
ご自身の医院が10年先も経営を持続できるかを考える「10年後の医院経営を考える相談会」を
無料で実施しております。
また、MBA的思考や生成AIの実践的導入を学ぶ「経営関連スクール・講座」など、
これからの時代を生き抜くための経営力アップデートもサポートしています。
「将来的にどうすべきか迷っている」「これからの医療環境でどう立ち回るべきか」という
第一歩のご相談から、熟練のアドバイザーが客観的なデータとともに最適な道を一緒に考えます。
みなさまの次なるステージを輝かしいものにするために。
まずはケアネットに、その思いを打ち明けてみませんか。
全4回のシリーズにお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
ケアネット医業承継チーム
ケアネットの医業承継チームは、業界経験が長いベテランアドバイザーを中心に、 税務や法務について豊富な専門知識を有する専門コンサルタント、幅広いサポート体制をもつサポートメンバーで構成されております。 専門性の高いメンバーが複数人で関わるチーム制を採用することで、お客様にご満足いただけるサポートや運用体制をご用意しております。 診療所の医業承継に特化をした、全国でも数少ない医業承継チームのノウハウで、開業医の先生方の『後継者問題』の解決に寄与できるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。
