新規開業と承継開業の違い~2040年問題に向けたネクストキャリアを考える②~
お役立ちコラムシリーズコラム「2040年問題に向けたネクストキャリアを考える」。
今回は第2回をお届けいたします。
第1回では「勤務医継続」と「開業」の違いについて触れましたが、
今回は「開業」を決断した後に直面する大きな選択肢について、これからの医療環境の変化とあわせて解説します。
第2回:新規開業と承継開業の違い
~10年後の医療環境を生き抜く選択~
「開業」を決断した場合、次に待っているのが「新規開業」か「承継開業(第三者医院継承)」か
という選択です。近年、初期投資を抑えられる承継開業への注目が高まっていますが、
それぞれにメリット・デメリットがあります。
「10年後の医院経営」を見据えたとき、これらの違いはどう影響するのでしょうか。
生涯年収と初期投資
新規開業は、土地や建物、医療機器をゼロから揃えるため、数千万〜数億円の初期投資が必要です。
開業後も認知されるまで時間がかかり、数カ月から数年は赤字経営を覚悟しなければなりません。
一方、承継開業は既存の設備や内装を引き継ぐため、初期投資を大幅に抑えられます。
初日から既存の患者さんが来院するため、すぐに安定した収益が見込めます。
結果として、投資回収が早く、生涯年収ベースでは承継開業の方が有利になるケースが少なくありません。
これからの時代、2029年〜2032年頃には医師の需給が均衡し、
地域によっては医師の過剰供給が生じると予測されています。
競争環境が厳しくなる中で、多額の初期投資と借金を抱える新規開業は、
これまで以上にハイリスクな選択となる可能性があります。
物件の見つかりやすさと地域選定
新規開業の場合、自分の希望するエリアで自由に物件を探せますが、
競合の少ない好立地(駅チカなど)は常に激戦です。
承継開業は、引退を考える院長とのマッチングとなるため、
「希望エリアに、ちょうど良いタイミングで、理想的な条件の案件」が出るかどうかは
運とタイミングに大きく左右されます。
ここで重要になるのが「2040年問題」です。
地方では人口減少により、医療機関の維持すら困難な「消滅可能性自治体」が増加すると予想されています。
そのため、「どの地域に焦点をあてて医院経営を行っていくか」という視点が非常に重要になります。
承継開業を検討する際も、その地域が10年後も持続可能かを見極める必要があります。
開業後苦労するポイントと人材確保
新規開業で最も苦労するのは「集患」と「スタッフの採用・教育」です。
ゼロから認知度を上げ、チームをまとめ上げるエネルギーが必要です。
承継開業では集患の苦労は少ないものの、「前院長との理念の違い」や
「既存スタッフ・患者さんとの関係構築」がハードルになります。
また、引き継いだ設備が老朽化しており、予想外の修繕費がかかることもあります。
今後、看護師などの医療従事者の不足は年々深刻化していきます。
新規開業でゼロからスタッフを集めることは非常に難易度が高くなるため、
スタッフを引き継げる承継開業には大きなアドバンテージがあります。
ただし、これからの働き手の中心となるミレニアル世代の職員は、
ワークライフバランスや柔軟な働き方を強く求めます。
既存スタッフを引き継ぐ場合でも、Web問診やオンライン予約システムといった医療DXを導入して
職員の負担を軽減し、働きやすい環境へと組織をアップデートしていくマネジメント力が
次世代の経営者には求められます。
【あなたはどちらに向いている?】
新規開業、承継開業、どちらの選択においても、経営者として成功するためには、
それにかける時間や覚悟が必要です。
どちらの方法が、より自身に合った開業方法か?
それは、「何を得たいか」または「何を失いたくないか」、を考えてみてください。
それにより、自身に向いている開業方法が見えてくることでしょう。
►新規開業に向いている方:
自分の理想のクリニックをゼロから創りたい、ハイリスク・ハイリターンを許容できるリーダーシップと突破力がある方。
►承継開業に向いている方:
既存のリソースを活かし、初期投資を抑えて合理的に経営したい、柔軟性や協調性を持って既存のものを改善できる方。
次回の第3回では、
開業を現実的に考える上で避けては通れない「開業のお金の話〜新規開業と承継開業の違い〜」
について、キャッシュフローの観点からさらに深掘りしてお届けします。
ケアネット医業承継チーム
ケアネットの医業承継チームは、業界経験が長いベテランアドバイザーを中心に、 税務や法務について豊富な専門知識を有する専門コンサルタント、幅広いサポート体制をもつサポートメンバーで構成されております。 専門性の高いメンバーが複数人で関わるチーム制を採用することで、お客様にご満足いただけるサポートや運用体制をご用意しております。 診療所の医業承継に特化をした、全国でも数少ない医業承継チームのノウハウで、開業医の先生方の『後継者問題』の解決に寄与できるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。
