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Column コラム 開業のお金の話【新規開業と承継開業の違い】~2040年問題に向けたネクストキャリアを考える③~

お役立ちコラム 2026年07月17日(金)
2026年07月17日(金)

開業のお金の話【新規開業と承継開業の違い】~2040年問題に向けたネクストキャリアを考える③~

お役立ちコラム

コラムシリーズ「2040年問題に向けたネクストキャリアを考える」。
今回は第3回をお届けいたします。
 第2回では「新規開業」と「承継開業」の違いについて、立地や集患の観点から触れましたが、
今回は開業を現実的に考える上で避けては通れない「お金」の話、
すなわち「クリニック開業の資金とキャッシュフロー」に焦点を当てます。


第3回:開業のお金の話
 ━新規開業と承継開業の違い



「開業すれば儲かる」という時代は終わり、現在は緻密な資金計画が求められる時代です。
特に「新規開業」と「承継開業」では、お金の出入り(キャッシュフロー)の波が全く異なります。
将来の医療環境の変化も踏まえながら、それぞれの資金事情のリアルを時系列で紐解いていきましょう。

新規開業と承継開業の初期投資額の違い
開業時に最も頭を悩ませるのが初期投資です。
何にどれくらいお金がかかるのか、両者には明確な違いがあります。

新規開業
ゼロから創るための莫大な初期コスト
テナント開業であっても、内装工事、最新の医療機器導入、広告宣伝費、そして軌道に乗るまでの運転資金
などを含めると、概ね1億円規模(診療科やテナントor不動産所有により異なる)の資金が必要になります。
さらに今後は、ミレニアル世代の患者ニーズに応えるためのWeb問診やオンライン予約システムといった
「医療DX」への初期投資も欠かせません。
自己資金に加えて、金融機関からの多額の融資(借入)を前提としたスタートとなります。

承継開業
既存資産の活用によるコスト抑制
前院長の築いた内装や医療機器、スタッフをそのまま引き継ぐため、初期投資は新規開業の半分〜3分の1程度
に抑えられるケースが大半です。
営業権(のれん代)の支払いは発生しますが、設備投資が大幅に圧縮されるため、借入額も少なく済みます。


開業から3年後のキャッシュフローの違い
開業初年度から3年目までは、クリニックの存続を左右する「魔の期間」とも言えます。
ここでの資金繰りの違いは非常に対照的です。

新規開業
最初の2年は「年収ダウン」の覚悟が必要
新規開業の最も厳しい現実として、開業初年度~2年目は、勤務医時代の現在の所得よりも
手取り額が下がる覚悟が必要です。
患者ゼロからのスタートとなるため、数カ月から1年ほどは赤字(損益分岐点以下の売上)が続くことも
珍しくありません。
特に注意すべきは、2029年頃〜2032年頃にかけて医師の供給が過剰になり始めるという予測です。
競合が増える中で患者数をゼロから積み上げる難易度は上がり、黒字化までの「Jカーブ」の底が
深くなる(赤字期間が長引く)リスクも想定した手元資金の確保が重要になります。

承継開業
初日から黒字化、ロケットスタートが可能
引き継いだその日から「かかりつけの患者さん」が来院するため、開業初月から売上が立ち、
早期に黒字化・資金の回収が可能です。
初期の借入額も少ないため毎月の返済負担も軽く、開業初年度から勤務医時代と同等、
あるいはそれ以上のキャッシュフローを生み出すケースが多く見られます。
この早い段階で得た利益を、深刻化する人材不足に備えた「スタッフの労働環境改善」や
「デジタルツールの導入」へ早期投資できるのが大きな強みです。


開業から10年後のキャッシュフローの違い
開業から10年が経過すると、クリニックは円熟期を迎えます。
しかし、ここで両者の立場が少し逆転するような事象が発生する可能性があります。

新規開業
借入が減り、強固な収益基盤が完成
10年経てば地域にすっかり定着し、安定した患者基盤ができています。
初期投資の大きな借入も返済が進み、毎月の返済額が減る(あるいは完済に近づく)ため、
キャッシュフローは非常に潤沢で安定した状態になります。
開業直後の苦労が報われ、生涯年収の伸びを実感できるのがこの時期です。

承継開業
待ち受ける「設備の老朽化」と再投資
スタートダッシュに成功した承継開業ですが、10年後(あるいはもっと早い5〜7年目あたり)に
大きな壁にぶつかります。
それは「引き継いだ医療機器や内装の寿命」です。
前院長から引き継いだ時点で既に数年〜十数年使われていたレントゲン、エコーなどが次々と故障し、
まとまった設備投資(数百万円〜数千万円)が必要となり、一時的にキャッシュフローが
大きく悪化するリスクがあります。
また、国が推進する電子カルテの標準化など「医療DX令和ビジョン2030」の流れに対応するため、
システムの全面刷新が必要になる可能性もあります。承継開業では、あらかじめこの
「将来の修繕・買い替えコスト」を見越して現金をプールしておく経営計画が必須です。





次回の第4回(最終回)では、
経営においてお金以上に重要とも言える「人・オペレーション・集患」といったソフト面における
新規開業と承継開業の違いについてお届けします。



ケアネット医業承継チーム

ケアネットの医業承継チームは、業界経験が長いベテランアドバイザーを中心に、 税務や法務について豊富な専門知識を有する専門コンサルタント、幅広いサポート体制をもつサポートメンバーで構成されております。 専門性の高いメンバーが複数人で関わるチーム制を採用することで、お客様にご満足いただけるサポートや運用体制をご用意しております。 診療所の医業承継に特化をした、全国でも数少ない医業承継チームのノウハウで、開業医の先生方の『後継者問題』の解決に寄与できるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。

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