医業承継のクロージングまでの工程
基礎知識コラムクロージングとは取引終了を言い表す言葉で、M&Aでもよく使用されます。
M&Aにおけるクロージングとは、一般的に、最終契約書に基づくM&Aの取引が完了することを指します。ただし、実務的には、最終契約書締結と譲渡完了・引継完了の間で期間が生じるようなM&Aについては両方の時点ともにクロージングと呼ぶ場合があります。
これは、事業譲渡M&Aのように、最終契約書が締結され譲渡が確定した後に相当期間の引継作業が必要となるM&Aでは、取引の完了が契約締結と引継完了の2度訪れるためです。行政手続や業務引継などが必要な医業承継は、クロージングが2度訪れるM&Aに該当します。
このコラムでは、医業承継におけるクロージングについてお伝えします。
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クロージングのタイミング
医業承継でのクロージングのタイミングは法人譲渡と事業譲渡で少し違いがあり、具体的には以下の通りとなります。
<法人譲渡>
①最終契約書(出資持分譲渡契約書等)が締結された時点
②対価の受渡と引継作業が完了した時点
・買手から売手へ最終譲渡対価が支払われた
・法人組織(社員や理事長等)の交代が行われ行政手続や登記手続等が完了した
・売手の退職金清算などが完了した
<事業譲渡(個人開設医院や分院の譲渡)>
①最終契約書(事業譲渡契約書等)が締結された時点
②対価の受渡と引継作業が完了した時点
・買手から売手へ最終譲渡対価が支払われた
・旧医院の廃止手続と新医院の遡及開設手続が完了した
クロージング間の工程
約3ヶ月から半年程度設けられるクロージング(契約締結時)とクロージング(引継完了時)の間では、手続や引継のための様々な作業が行われます。長いようでいざ作業を始めてみるとあっという間に過ぎてしまう短い期間のため、契約締結時までにある程度の工程を検討しておく必要があります。
一般的な作業の工程は、以下の通りです。
<法人譲渡の工程>
クロージング①(最終契約締結)から引渡日までの間に、スタッフ、患者様への告知や診療引継などを行います。引渡日後に理事長・管理医師交代の行政・登記手続きと売手理事長の退職金清算を行い、クロージング②(引継完了)となります。
<事業譲渡(個人開設医院や分院の譲渡)の工程>
クロージング①(最終契約締結)から引渡日までの間に、スタッフ、患者様への告知や診療引継などと併せて、新医院の開設許可申請を行います。引渡日後に旧医院の廃止手続と新医院の遡及申請などを行い、クロージング②(引継完了)となります。
ケアネット医業承継チーム
ケアネットの医業承継チームは、業界経験が長いベテランアドバイザーを中心に、 税務や法務について豊富な専門知識を有する専門コンサルタント、幅広いサポート体制をもつサポートメンバーで構成されております。 専門性の高いメンバーが複数人で関わるチーム制を採用することで、お客様にご満足いただけるサポートや運用体制をご用意しております。 診療所の医業承継に特化をした、全国でも数少ない医業承継チームのノウハウで、開業医の先生方の『後継者問題』の解決に寄与できるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。