Column コラム 意向表明書の内容や役割は?

基礎知識コラム 2021年05月13日(木)
2021年05月13日(木)

意向表明書の内容や役割は?

基礎知識コラム

最初のトップ面談を終え追加の資料確認や質疑応答が済んだら、候補者から意向表明書を提出していただくことになります。売手は提出された意向表明書の内容を読み、その候補者と独占交渉を行うかどうか判断することとなります。

このコラムでは、意向表明書の内容やその役割をお伝えします。



意向表明書の内容

意向表明書は、売手が独占交渉相手を確定するための重要な判断材料です。判断をするためには、候補者の希望する条件や承継後の計画を知る必要があります。意向表明書には、それらの具体的な内容が記載されることになります。

ただし、独占交渉相手に選ばれたいからといって、実現する気のない嘘の条件や計画を記すことは避けねばなりません。記載された条件等には法的拘束力はありませんが、最終的にかけ離れた条件が提示されれば、売手との信頼関係も崩れ継承の成立は困難です。その点を留意したうえで作成することが望まれます。

一般的には以下の様な内容が記載されます。また、これら以外にも、売手として気になるような事柄があれば事前に伝えて記載してもらうことがあります。 


▷譲渡条件について

・譲渡の対象

・譲渡の対価(資金調達の方法)

・譲渡の時期 など


▷承継後の体制について

・スタッフの扱い

・医療法人名・医院名の扱い

・診療科目の扱い

・今後の診療方針 など


▷以後の交渉について

・デュー・デリジェンスの方法

・以後のスケジュール など



売手にとっての意向表明書の役割

候補者を独占交渉相手として認めるということは、その他の候補者とは交渉ができないことになります。売手にとって、意向表明書の最も大切な役割が独占交渉相手を選ぶための重要な判断材料であることは間違いありません。しかし、それだけではありません。

候補者が複数いた場合、候補者ごとで交渉の進行度合いは異なります。ネームクリアをしたばかりの候補者もいれば、条件提示をしてきた候補者もいる。そういう事態になると、せっかくの候補者を比較検討することが難しくなってしまいます。これを避けるには、どこかで区切りを設けて各候補者の進行度合いを調整する必要がありますが、意向表明書の提出期日を統一することでその調整を行うことができます。意向表明書の提出は売手にとって、交渉の進行を円滑に進めるための役割も担っています。



候補者にとっての意向表明書の役割

候補者にとっての意向表明書は、独占交渉先に選んでもらい最終交渉を安心して行うための重要な書類です。しかし、それ以外にも候補者にとって大切な役割があります。それは、承継の意思固めと具体的な計画立案の契機になるということです。

ネームクリアを受けてすぐに承継したいと決める候補者は殆どいないでしょう。資料や情報を確認し院長と会って話を聞き施設やその周辺を見て回る、そのステップを踏む中で少しずつ気持ちが傾いていきます。意向表明書という区切りがあることで、明確な意思を固めることができます。

意向表明書には譲渡条件や承継後について等を記載する項目がありますので、意思を固めただけでは作成することができません。より具体的に、例えば、現在の職場をいつ退職できるのか、自分が調達できる資金はどの程度か、承継後にはどのような体制にしたいのか、などを考えることが必要になります。意向表明書を作成することで、承継したいという意思を具体的な計画に変えるための契機となります。

もしかすると、作成の過程で承継を断念することがあり得るかもしれません。意向表明書の作成は、改めてその承継に対する自分の本気度を再確認する貴重な機会といえます。



<意向表明書イメージ>


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