秘密保持契約書のポイントとは?
基礎知識コラム秘密保持契約書は、文字通り「秘密を守ること」を互いに約束するための契約書で、NDA(Non-Disclosure Agreement)やCDA(Confidentiality Disclosure Agreement)とも呼ばれます。
必ず結ぶ契約
相手以外には秘密にしておきたい重要な情報(=秘密情報、機密情報)とは書類だけではなく、医院名や個人名、更には「医院を譲りたい」「退職して医院を開業したい」という意向も秘密情報に含まれます。そのため、秘密保持契約書は、医業承継の初期段階で締結することになります。
最初は仲介会社と締結します。仲介会社との秘密保持契約は、単独の契約書(秘密保持契約書、機密保持契約書など)の形式と、他の契約書(業務委託契約書、仲介契約書など)の条文に記載されている形式があります。
次に、売手買手の間で締結されます。これは、直接締結する方法と、双方が仲介会社と秘密保持契約を結ぶことで間接的に締結する方法のいずれかで行われます。
いずれの形式や方法で行われるにしても、医業承継では多くの重要な情報が扱われますので、安心して進めるためには必ず結ばなければならない契約です。
秘密保持契約書のポイント
①秘密情報の定義と開示目的の設定
まず、秘密情報とは何か、何のために秘密情報を開示するのかが規定されます。
秘密情報の定義の方法としては、開示当事者により「秘密」の指定や表示を行う方法もありますが、多くの情報をやり取りする場合には漏れの出る可能性があるため、ここでは「一切の情報」や「あらゆる情報」といった網羅的な定義とされています。
②秘密保持義務
次に、この契約における義務が規定されます。秘密保持契約における義務とは、「秘密を保持して第三者に開示漏洩しないこと」と「目的以外に使用しないこと」の2点となります。
併せて、例外的に開示が許される第三者が規定されます。医業承継の場合は税理士や弁護士への相談は不可欠ですので外部専門家が例外として規定され、また、裁判所などからの命令や法令上の義務による開示も例外として規定されます。
③秘密情報の扱い
秘密情報の権利(所有権、版権など)はどちらのものか、契約期間終了や目的完了の後にどう扱うかなどが規定されます。
秘密情報を開示したとしても情報の所有権は開示した側にあり、期間終了後は開示された側が責任をもって破棄する、という規定が一般的です。
④直接交渉の禁止
主に仲介会社との秘密保持契約で規定されます。
仲介会社の承諾なしに紹介されたお相手やお相手の関係者に直接交渉をしてはならないという規定になります。
⑤その他一般条項
その他として、秘密保持契約書に限らず規定される一般的な条項としては、以下の様なものがあります。
・損害賠償規定(相手方に損害を与えた場合には、賠償責任が生じる棟の規定)
・反社規定(反社会的勢力とは一切関係がないという表明保証)
・有効期間の規定(契約が有効な期間を定める規定)
・存続規定の選定(有効期間が終了しても存続する条項を定めた規定)
・信義則(契約上の疑義については両者間の協議で円満に解決する旨を定める規定)
・合意管轄規定(止むを得ず紛争となった場合の管轄裁判所を定めた規定)
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<秘密保持契約書イメージ>
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