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Column コラム クリニックにおける “ボトムアップ” を取り入れた経営のすすめ

お役立ちコラム 2025年11月15日(土)
2025年11月15日(土)

クリニックにおける “ボトムアップ” を取り入れた経営のすすめ

お役立ちコラム

クリニックは小規模であるがゆえに、意思決定のスピードが求められる一方、スタッフ1人ひとりの影響力も大きい組織です。そのため、「トップダウン」と「ボトムアップ」をどう組み合わせるかが、経営の安定性と成長性を左右します。

1. トップダウンだけでは限界がある

医療機関では、院長のリーダーシップが強く求められる場面が多くあります。特に以下のようなケースでは、トップダウンが有効です。

  • 方針転換や設備投資など、大きな意思決定

  • 危機時の迅速な判断

  • 医療安全やコンプライアンス対応

しかし一方で、トップダウンに依存しすぎると次のような“副作用”が現れます。

  • スタッフが指示待ちになり主体性が育たない

  • 現場の微妙な変化がトップに報告されにくくなる

  • 組織の学習スピードが落ちる

  • マネージャー層が育たず、院長の負荷が増大する

特にクリニックは、日々のオペレーションの質が患者満足度を左右するため、“現場の知恵”が欠かせません。トップだけで全てを握る経営は、長期的には非効率です。

2. ボトムアップ式は、クリニックにもフィットする経営手法

クリニックは、実は「ボトムアップ」が機能しやすい事業・組織構造と言えます。

  • 医療事務・看護師・受付・リハスタッフなど、現場に最も近い人が課題を把握している

  • 患者からの声を直接受け取っているのは現場スタッフ

  • クリニックの価値は「現場の対応品質」で決まる

そのため、ボトムアップを仕組みとして組み込むと、下記のような変化が起こります。

  • スタッフの主体性が育ち、オペレーションが自然と改善される

  • “自分ごと化”が進み、やらされ感がなくなることで離職率が下がる

  • 患者満足度が上がり、紹介患者が増える

  • 組織全体が学習し、改善力(組織の筋力)が高まる

院長が“看板”として牽引する経営と非常に相性が良いのです。「強い中小組織」の定石でもあります。

3. ハイブリッド経営が生む“再現性”と“強さ”

最適解は、「トップダウンとボトムアップを明確に使い分ける」ことです。

● トップダウンが効果を発揮する領域

  • 経営方針・理念

  • 投資判断(設備、採用、診療科の拡大)

  • 医療安全・法令遵守

  • 中長期の戦略テーマ設定

● ボトムアップが効果を生む領域

  • 日々のオペレーション改善

  • 患者体験の改善(導線・案内・接遇など)

  • 業務効率化(残業削減、待ち時間短縮)

  • 職種間連携の強化

  • 小さな“気づき”の蓄積

経営者が方向性を示し、現場が改善アイデアを生む。この循環が回り始めると、クリニック経営に“再現性”が生まれます。

4. すぐに導入できる「ボトムアップ仕組み化」アイデア

クリニックで取り入れやすい具体策は次の通りです。

① 各部門トップによる月例ミーティング

  • 事務長、看護師リーダー、受付リーダー等が参加

  • KPI(外来数、電話対応、在庫、クレームなど)を報告

  • 改善案は現場主体で提示

  • 院長は“決裁と方向づけ”に集中する

② 問題発生時の「トップ-現場」対話

危機時に院長が現場の声を直接聞くと、改善案の質が大きく上がります。

  • 院長が先入観なく意見を受ける

  • 現場が本音を出しやすくなる

  • メンバーの主体性を引き出す

トップが現場に降りていくこと自体が、強力なメッセージになります。

③ 小さな提案制度・月1アイデア会議

  • 「1人1案」をルール化

  • 実現した案を必ず全体へフィードバックする

  • 院長が称賛し、文化にする

④ 5分の“ミニ朝会”で改善サイクルを作る

  • 昨日の改善

  • 今日の課題

  • 1つの成功体験共有
    これだけで組織の空気が変わります。

5. トップダウン×ボトムアップが育てる“強い組織文化”

クリニックにおいて、最も重要な資産は「人」です。

スタッフが主体性を持ち、患者と向き合い、医療を支える組織をつくるには、トップダウンだけでも、ボトムアップだけでも成立しません。両者を組み合わせた経営は、次のような“強さ”を生みます。

  • 変化に対応できる柔軟性

  • 日々改善が積み重なる仕組み

  • 患者に愛される接遇・導線づくり

  • 院長の孤独を軽減し、健全な権限移譲が進む

  • クリニックが“自走する組織”へ進化する

これは、規模が小さいクリニックだからこそ実現できる強みでもあります。

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