医院継続が困難になる前に準備しておくこと
お役立ちコラム医院の第三者承継のご相談においては、院長のご親族や近隣の調剤薬局など、ご本人以外からのお問い合わせをいただく場合がございます。これは、院長が何かしらの事情で医院の継続が困難になられた場合がほとんどです。医院経営に知識のないご家族がこのような事態に備え、事前にどのような準備をしておくことがよいのでしょうか。
今回のコラムでは急な院長(ご自身)の体調不良などを背景として医院継続が困難となる前に、事前に準備しておくべきことについてお伝えします。
院長が医院継続困難となる理由
院長以外から医院承継についてお問い合わせをいただく理由として、もっとも多い理由が以下の2つです。
1.院長が急逝された場合
2.院長が病気となり、長期的に医院の経営が困難となった場合
上記のような理由を含め、長期的に医院経営ができなくなった場合に備え、事前に準備をしておけることがいくつかあります。「まだ大丈夫、もう少し現役でやれる」と、この準備を後回しにされますと、のちにご家族が大変な思いをされていることとなり、通院される患者様や従業員にも影響が及ぶ事態となります。
もしもに備え、事前の準備が必要なこと
①代診対応いただける、先生や医師紹介会社など依頼先を探索しておく
まず、一番先に考えるべきは「院長先生の代わりに代診する医師の確保」です。信頼できる医師とのつながりがあれば、これに越したことはありません。同門の医師や、仲の良い医師でもしもの時に頼れる仲間がいることは、とても心強いことでしょう。
もし、そのような医師が見つけられない場合は、人材紹介会社のサービスを活用することもできますが、募集から就業開始まで、1か月で完結することはなかなかありません。すぐに代診の医師がみつかることはまれであり、現実的ではありませんが、こういったサービスを行う会社とつながりを作っておくことも、一つの準備といえるでしょう。
②医院経営に関する資料の所在を明確にしておく
幸い、代診の医師が見つかった場合でも、医院経営の知識が少ない医師の場合、レセプト請求や従業員のシフト管理など、医療行為以外の膨大な仕事に疲れ、数か月後には医院承継について検討、相談をされる医院が多くあるのも事実です。医院が休診や閉院をしてしまうと、医院承継の成功率が非常に低くなりますので、少しでも早いタイミングでご相談されることをお勧めいたします。
医院承継相談の際に、揃えておいていただくとお相手探しがさらにスムーズに進められる資料がいくつかあります。万が一、医院を休診としてしまうとお相手探しが非常に難しく、医院承継に至らない確率が高くなりますので、この資料の所在だけでも事前に把握しておくことがとても重要となります。
<医業承継で初期に必要となる資料>
・三期分の決算資料(確定申告書)
・固定資産台帳
・残高試算表
・賃貸借契約書
・建物・テナントの図面
・医療法人の場合には定款
③休診、閉院、承継について相談先を探しておく
知人や紹介会社を通じて医院経営を継続や、承継のお相手探しをされ、最終的に閉院という選択をされた場合でも、手続きは簡単ではありません。閉院手続きのために必要となる書類の準備、提出、各種契約の解約や薬品の処分等々、手続きは多岐にわたります。
また、通院される患者様や従業員のその後を考えると、医院経営が難しくなる前に、閉院や、承継について相談できる専門家とつながりを作っておくことも重要です。
閉院に関する詳しい資料については「医療法人・個人医院の閉院手続きとは?」に掲載しておりますので、ご覧ください。
弊社には、専門性が高く承継、閉院のアドバイス実績も多く備えたスタッフがおりますので、ご家族の方でも安心してご相談いただけます。
今回は、医院継続困難になる前に準備しておくこと、ご家族にもできることについてお伝えいたしました。今後の参考にしていただければとおもいます。
ケアネット医業承継チーム
ケアネットの医業承継チームは、業界経験が長いベテランアドバイザーを中心に、 税務や法務について豊富な専門知識を有する専門コンサルタント、幅広いサポート体制をもつサポートメンバーで構成されております。 専門性の高いメンバーが複数人で関わるチーム制を採用することで、お客様にご満足いただけるサポートや運用体制をご用意しております。 診療所の医業承継に特化をした、全国でも数少ない医業承継チームのノウハウで、開業医の先生方の『後継者問題』の解決に寄与できるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。